月曜日の仕事量抑制が脳・心疾患予防に有効 健康安全機構調査
労働者健康安全機構は、「職場高血圧に関する調査研究」の結果を取りまとめた。勤労者のみの傾向として、月曜日の午前(仕事中)に心筋梗塞や脳卒中などの心血管事故のリスクが上昇することが分かった。同機構は、「この結果は、月曜日の仕事量の抑制が勤労者の心疾患事故を予防するうえで重要であることを示唆するもの」との見解を表明している。
プレミアム・フライデー以上に重要
同研究は、旭労災病院の木村玄次郎院長が中心となり、全国29の労災病院と連携しながら進めたもの。結果の概要によると、勤労者では、月曜日の午前(仕事中)に「ダブル・プロダクト」が「特異的に」「有意に」上昇することが確認されたという。「ダブル・プロダクト」は、収縮期血圧と脈拍数の積で表される「心血管事故に直結する新しいリスク」のこと。心筋梗塞や脳卒中などに関しては、月曜日の午前に高率に発症する事実が以前から知られていたものの、その原因などについては不明だった。さらに、この現象は65歳未満の勤労者に限定され、高齢者や入院患者にも当てはまらないことから、「最大の古典的心血管リスクである血圧に注目し、その週間および日内リズムを検討した」と説明している。
同機構は、今回の結果はW―P(心臓の仕事量や酸素消費量に相当)の増加が心血管事故に関係していることを示すものと主張。「月曜午前は、休み明けからダッシュして1週間のスケジュールを進めていかなければならないストレスがW―Pを上昇させるものと考えられる」とした。
このため、勤労者の心血管事故を予防し、QOL(生活の質)を改善する観点から、最近始まったプレミアム・フライデー以上に、月曜日の仕事量を抑制することのほうが重要ではないかと問題提起している。