パワハラ相談4割強で増 関心の高まりが背景に 経団連調べ
日本経済団体連合会は、「職場のハラスメント防止に関するアンケート結果」を取りまとめた。パワーハラスメントに関する相談件数で「増えた」が44%と最も多かった。「変わらない」は30.8%、「減った」は16.3%だった。セクシュアルハラスメントに関する相談件数では、「変わらない」が45.3%と最多で、次に「減った」が28.8%となっている。相談件数が増えた理由については、法施行に伴う社会の関心の高まり、相談窓口の周知の強化、経営トップメッセージや研修実施による意識の向上などがあるとした。
ハラスメントに関する最近の相談動向・形態では、コミュニケーション不足を起因とする相談の増加を挙げた。具体的には、「リモートワークにより、コミュニケーションが希薄化するために起こるすれ違い」「コミュニケーションの不足からお互いの信頼関係が構築されないことにより、上司等の業務上の注意や指導をパワーハラスメントと捉え相談するケース」などがあったという。
また、パワーハラスメントの理解不足による相談の増加もあったとする。具体的には、「指導・指摘、あるいは上司や周囲の言動で、本人の意に沿わないという点のみで、ハラスメントを主張しているケース」などとしている。
ハラスメント防止・対応の課題について、特にあてはまる上位3つを選択してもらったところ、「コミュニケーション不足」が63.8%とトップで、次いで「世代間ギャップ、価値観の違い」が55.8%、「ハラスメントへの理解不足(管理職)」が45.3%などとなった(下図)。
調査は2021年9~10月、経団連会員企業400社(回答率26.9%)に実施したもの。従業員1000人以上が約7割を占める。