【特集1】「先ヒヤリ」で事故のない職場を リスク評価し改善につなげる未然防止の体質づくりへ/日本スピンドル製造
日本スピンドル製造㈱(兵庫・尼崎市)は、実体験したヒヤリだけではなく想定されるヒヤリハットを報告し、改善につなげる「先ヒヤリ活動」に取り組んでいる。毎月テーマを設定し、身の回りで関連する危険がないかを考え、想定したヒヤリのリスク評価から危険の芽を摘む職場改善へとつなげる。注意表示などの管理的対策にとどまらず、根本的な要因を検討して対策を講じることで、災害を未然に防ぐ体質づくりを目指している。生産・工事部門のみならず、事務部門を含めた全社的な活動として定着しつつある。
ヒヤリハット活動の定着を目指して
日本スピンドル製造は、自動車部品などを加工する機械を生産する産業機械事業、集じん機の製造・設置を行う環境事業、空調・冷熱事業が主力の機械メーカー。100年以上に渡る歴史を持ち、暮らしのなかで活躍するさまざまな機械の製造を通してモノづくりを支えてきた企業だ。生産・技術部門を中心に危険予知活動が活発で、長年継続してきた安全活動によって安全最優先の企業文化が根付いている。
日本スピンドルグループ 2021年度 安全衛生管理方針 1.年度方針 ~快適社会の軸になろう~ 2.安全衛生管理の目的 |
同社がここ10年で力を入れているのは、ヒヤリハット活動を通じたリスクの発見と改善活動。その背景には、ヒヤリハット報告が一過性のものになり、いまひとつ定着しないという悩みがあった。
「社内のヒヤリハットは軽い物損などが多く、たまに大きなトラブルが起こって活発化しても、2年、3年と経つうちに下火になってしまっていた」と、同社安全衛生グループの西野高弘グループリーダーはいう。大事な報告を怠ったままでいると、問題が現場に埋もれてしまう。そこで、重大災害の予防に向けてヒヤリハットを顕在化するため、2012年から「先ヒヤリ」活動を開始した。…
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