【特集1】「SDCAサイクル」で安全先取り 現場巡回通じて乗務員を指導 輸送・倉庫業務の事故防止へ/サントリーロジスティクス㈱
サントリーロジスティクス㈱では、安全は業務の基本動作と位置づけて倉庫でのフォークリフト業務やトラック輸送時の事故防止を推進している。業務の標準を策定し基本動作の実践と確認、改善を繰り返すSDCAサイクルを回して、「はじめて・ひさしぶり・変更」のある作業前の安全確認の徹底、現場巡回による安全行動の現認、社内外での教育研修を通じた取組みを展開し、先取り安全の実現を目指す。フォークリフトの安全教育では、AIを活用した運転評価といった先進的な試みにも取り組むほか、2021年にはスマートロジスティクスを実現する出荷拠点を新設。人との接触を回避する自動運転フォークによる労働負荷軽減も図っている。
安全は業務の「基本動作」
サントリーグループの飲料物流業務を手掛けるサントリーロジスティクス㈱。安全基本理念に、「安全は、最大の顧客満足である」「安全は、業務の基本動作である」「安全は、重要な経営資源である」と掲げ、安全が会社に定着する仕組みの構築を目指す活動を継続している。
「利益を求めて安全を見失うことがないよう、関係者すべての感度を統一し、安全〝皆〟活動を通じて安全マネジメントを作り上げる」と、小玉光志理事(安全推進部長)は活動の主旨を説明する。
「基本動作」を支える仕組みのひとつに、SDCAと名づけた安全業務サイクルがある(図1)。PDCA(Plan/Do/Check/Action)のP(Plan:計画)をS(Standard:標準)に置き換えたもので、先取り安全活動で精査した内容をもとに全業務の標準を策定し、教育研修を通じて定着を図るとともに、各事業所で行う輸送・倉庫作業の基本動作として落とし込んでいる。
また、各支店や事業所でも作業ごとに作業手順書を作成。全社統一のフォーマットではなかったため、拠点横断で使えるものに見直し、これまでに300以上の手順書を作り直した。作成した作業手順書は、年2回の監査で変更点や新規作業などを洗い出し、内容を更新している(図2は作業手順書の一例)。
「はじめて・ひさしぶり・変更」に注意
過去の事故事例を分析したところ、…
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