【特集2】頭痛プロジェクトを展開 対策プログラムで改善図る 教育通じて職場の理解促進/富士通
富士通㈱では、健康経営の一環として「FUJITSU頭痛プロジェクト」を立ち上げ、e-ラーニングを通じた頭痛に関する知識の向上、頭痛相談や症状改善に向けたプログラムの策定などに取り組んできた。上司や同僚が悩みを理解してくれているという安心感は、働きやすい職場風土の醸成につながっている。今年3月には、開発したプログラムがリーダー企業として学会から世界初の認定を受けた。
本人以外には伝わりにくい辛さが
日ごろから片頭痛や慢性頭痛に悩まされている人は少なくないだろう。仕事のパフォーマンスにも大きく影響するが、「たかが頭痛」と思われがちで、本人以外にはその辛さがなかなか伝わりづらい。健康経営を推進するなかで、この頭痛への対策にいち早く乗り出した富士通㈱は、「FUJITSU頭痛プロジェクト」を立ち上げ、頭痛をテーマとした社内教育や相談などの取組みを展開してきた。開発した頭痛対策プログラムは企業のモデルケースとして国際頭痛学会から高く評価され、今年3月2日には頭痛対策に力を入れる世界的リーダー企業として認定を受けている。
「認定を大変光栄に思う。当社の健康推進本部、医療スタッフの努力に感謝するとともに、引き続き頭痛対策プログラムにしっかりと取り組んでいく」と時田隆仁代表取締役社長(写真)。今後も従業員とその家族、顧客など、あらゆるステークホルダーへ健康推進施策の情報を発信していくとした。 富士通は2017年8月1日にグループ健康宣言を策定。健康保持増進活動の強化と社員の一人ひとりの自立した健康管理実践の支援、働き方改革・ダイバーシティの推進等の取組みと健康経営の連携によるワークライフバランスの推進、健康経営に資する ICT の提供を通じた社員・顧客・社会全体の健康づくりと生産性の向上への貢献を柱に、各種施策を推進している。年2回のウォーキングイベント、禁煙チャレンジ、食育のほか、がんの予防、女性の健康、口腔の健康などオンラインセミナーなどによる最新の医療健康情報の提供などを展開し、従業員の健康意識向上から行動変容へとつなげている。 |
経済的損失は26億円にも
2018年に富士通と国際頭痛学会、世界保健機関、日本頭痛学会が共同研究した「職場における慢性頭痛による就業への支障度調査」によると、調査対象とした従業員2500人の約85%が頭痛を自覚し、そのうち約84%が過去に治療経験がないと分かった。
頭痛による休業や仕事のパフォーマンス低下による経済的損失は、…
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