【特集1】食品製造業の労働災害防止 安全管理「形骸化」を打破へ
2022.07.26
【安全スタッフ 特集】
製造業のなかでも労働災害発生率が高い食料品製造業。農林水産省が実施した調査からは、安全衛生管理の仕組みの形骸化や社内での情報共有不足が課題として浮かび上がり、教育を通じた安全文化の醸成が求められるとした。安全な職場づくりに力を入れる企業の事例集などを通じて情報の水平展開を進めるとともに、オンラインで作業安全推進Weekを開催し、多くの関係者の関心を集めた。事例では、社内の意識調査から情報伝達のあり方を見直した好事例として、J-オイルミルズの安全衛生活動を紹介する。
災害発生率は全製造業の2倍
他産業と比べ労働災害の発生頻度が高い食料品製造業。厚生労働省の労働災害動向調査によると、食料品製造業で発生した休業4日以上の労働災害の年千人率(労働者1000人当たりの年間発生死傷数数)は5.7。全産業、製造業全体(2.6)の約2倍で、労働災害の多い建設業の4.5を上回っている。
ここ10年ほど休業災害件数が横ばいで推移している状況を打開しようと、農水省は昨年度、農林水産・食品産業の労働安全対策強化推進事業のなかで、食料品製造業の安全管理の課題を抽出。労働安全衛生コンサルタントに委託して実施した安全診断と指導調査は、「労働安全衛生の仕組み」「現場で実行するプロセス」「人の基盤」の3つの側面から問題点を洗い出した。…
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2022年8月1日第2407号 掲載