精神不調 認識可能性認め降格無効に 上司との関係が原因 東京高裁
2022.10.13
【労働新聞 ニュース】
処分事由行為は発症後
上司への誹謗中傷などを理由とする降格処分の有効性が争点となった裁判で、東京高等裁判所(髙橋譲裁判長)は処分を無効とする判決を下した。裁判は物流アウトソーシングなどを営む会社で働く労働者が起こしたもので、同高裁は、会社は労働者の精神疾患発症を認識するのは難しかったとしても、心身の異常やその原因は処分時に認識可能だったと指摘。降格は懲戒権濫用に当たると判断した。労働者は上司との関係悪化や業務過多を再三訴えていたが、会社は改善措置を講じなかった。処分後、労働者は精神疾患で5カ月休職。この疾患は「上司とのトラブル」などが理由として裁判中に労災認定を受けた。労災認定における疾患発症日は処分前で、処分事由となった労働者の行為はいずれも発症日以降のものだった。
労働者は平成25年12月にセントラルインターナショナル㈱(埼玉県川口市、田中德兵衞代表取締役社長)に入社した。27年1月には優秀社員表彰を受け、同年4月1日に…
【令和4年9月22日、東京高裁判決】
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令和4年10月17日第3372号2面 掲載