【特集1】「モデル階段」で転倒災害防止 ルール定着は環境整備から 手すり持ち改善し安全文化醸成進む/住友電気工業㈱横浜製作所
不安全行動に起因する災害の予防には、従業員一人ひとりが安全行動を意識する安全文化醸成が欠かせない。住友電工横浜製作所(横浜市栄区)では、転倒災害防止へ向けて安全歩行を定着させる「ポ・ケ・テ・ナ・シ運動」を進めるなかで、「モデル階段」「モデル横断歩道」を定めて事業場内での周知を図った。ルールを守る環境を整備したことで順守率は向上し、従業員が自主的に安全行動を取る安全文化の醸成へとつながっている。
ポ・ケ・テ・ナ・シで啓発
光ファイバ・光ケーブル、光コネクタ、融着接続機、光アンプ、光・電子デバイスなどの情報通信関連製品の開発・製造を行う住友電工横浜製作所。安全衛生活動方針のひとつに「安全文化の構築・安全な人づくり」を掲げ、「安心できる製作所の提供」「相互啓発によるポ・ケ・テ・ナ・シ運動の定着」「対話型安全巡回の展開と実践の定着」をトップアクションとしてさまざまな施策を推進している。
ここ数年、力を入れているのが、構内の歩行移動時に発生する転倒・転落災害の防止だ。2015年から全社で「ポ・ケ・テ・ナ・シ運動」を展開し、ポケットに手を入れない、ケイタイを使用しながら歩かないなどの歩行ルール定着に向けて、月1回の安全に関する集中的な点検・啓発を行う「安全DAY」での呼びかけや掲示による周知を行ってきた(図)。
活動当初は労働災害発生を抑えられていたが、2018年に従業員が階段から転落する災害が発生。休業するケガとなったことから、事態を重く受け止めて、取組みの一層の強化を図った。
発生した災害は、推奨していた「テ:階段は手すりを持つ」が徹底できていないことが背景にあった。
そこで、ポ・ケ・テ・ナ・シの100%実施を目指して呼びかけを強化する一方で、「どうすればルールを守りやすい状態をつくれるか」を考えて、職場の環境を整備していったという。…
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