65歳定年制をはじめとした「高齢者雇用」関連ニュースまとめ【2022年1~12月】
労働新聞電子版で配信したニュース記事の中から、2022年1~12月に公開しました高齢者雇用に関する企業事例のニュース・事例をまとめました。65歳定年制への移行のほか、再雇用区分の修正などについて掲載しています。
65歳定年制の導入
処遇維持して65歳定年へ 管理職は役割基準に TOTO
TOTO㈱(福岡県北九州市、清田徳明社長)は今年10月、国内のグループ会社10社を含めて65歳定年への段階的な移行を開始する。直前の9月末までに60歳を迎える世代を61歳定年とするのを皮切りに、今後5年間かけて毎年1歳ずつ定年年齢を伸ばす。
30年度から65歳定年 配転限定し給与低減 ダスキン
㈱ダスキン(大阪府吹田市、山村輝治代表取締役 社長執行役員)は、今年4月から定年年齢を現在の60歳から62歳に延長する。段階的な移行により2030年度には65歳定年制を実現し、同時に嘱託再雇用の上限年齢を一気に70歳へ引き上げる。
役職・賃金維持して65歳定年に ソラスト
医療事務の受託事業や介護、保育施設を運営する㈱ソラスト(東京都港区、藤河芳一代表取締役社長 CEO)は、4月から現行60歳の定年年齢を延長し、65歳まで既存の人事処遇制度を適用することを決めた。役職や賃金水準を継続するほか、退職金制度では65歳までポイント付与を続ける。
マツダ/定年後も同じ期待役割任す 65歳延長の対応策
マツダ㈱(広島県安芸郡府中町、丸本明代表取締役社長兼CEO)は、今春から段階的な定年年齢の引上げを開始したのに伴い、再雇用制度を一新した。2030年度に65歳定年を実現するまでの時限措置として、3つの職位を設け、職務内容に基づいて処遇する。
賃金体系継続し65歳定年へ 調整進め24年から 村田製作所
㈱村田製作所(京都府長岡京市、中島規巨代表取締役社長)は、2024年4月から65歳定年制へ移行することを決めた。今春の労使交渉を経て労働組合と合意したもので、59歳以前の賃金体系は継続適用しつつも、65歳まで貢献度・役割発揮に応じた処遇を継続する。
国内子会社含め65歳定年制 60歳超は一部減額で ニプロ
医療機器・医薬品メーカーのニプロ㈱(大阪府大阪市、佐野嘉彦代表取締役社長)は、10月から国内のグループ会社を含めて65歳定年制へ移行する。60歳以降は月例給を一部減額するものの、評価制度などの枠組みは引き続き適用し、査定による昇給・昇格も行う。
クボタ/高評価なら65歳まで昇給も 減額なしで定年延長
㈱クボタ(大阪府大阪市、北尾裕一代表取締役社長)は今年4月、組合員層の定年年齢を65歳に延長した。新たに55歳から適用する昇給テーブルを別に用意し、標準を上回る評価を取る限り65歳まで昇給できる仕組みを整えている。
技術力強化へコース別管理 監督職に高処遇確保 JX金属
JX金属㈱(東京都港区、村山誠一代表取締役社長 社長執行役員)は、一般社員層の人事制度を15年ぶりに見直し、コース別管理と65歳定年制を採用した。今後、茨城県内に3工場の新設を控えるなか、「技術立脚型企業」をめざして技術力の強化を図り、人員の大幅増につなげるのが狙い。
定年65歳導入で賃金カーブ修正 モリタグループ
消防車のトップメーカーである㈱モリタホールディングス(大阪府大阪市、中島正博代表取締役会長兼CEO)は、グループ会社の5社とともに65歳定年制を導入した。59歳までの人事制度の枠組みを65歳まで引き続き適用するもので、60歳到達以降も同一ルールによって昇給・昇格を行う。
その他の制度改定
TOWA/60歳定年後も同水準可能に 半年単位で職務を提示
半導体製造装置メーカーのTOWA㈱(京都府京都市、岡田博和代表取締役社長)は今年3月に再雇用制度を改定し、60歳定年後も引き続き同レベルの職務を担当する場合、同水準で処遇する仕組みへ改めた。再雇用後は半年に1回、半年間の評価に基づいて、「今後半年間の業務内容」を提示し、社内資格の昇降格を行ったうえで本人と合意を図る。
広島電鉄/65歳定年後も現業職再雇用 時間単価 職種別で初級水準確保に
広島電鉄㈱(広島県広島市、椋田昌夫代表取締役社長)では、電車やバスの運転士、車掌などの現業職系人材に対し、65歳の定年後も70歳まで再雇用する「シニア社員制度」を運用している。時間単価は同一職種の正社員の初級者レベルとし、各種の職務手当に関しては同額としている。
パート雇用期間75歳までに延長 ベイシア
1都14県にショッピングセンターなど136店舗を展開している㈱ベイシア(群馬県前橋市、相木孝仁代表取締役社長)は、パートタイム労働者の継続雇用の上限を75歳に延長した。店舗側から高齢パートの就業継続を望む声が多く挙がっていたため、引き続き活躍の場を提供することとしている。
65歳まで店長職として再雇用へ 日本KFC
日本ケンタッキー・フライド・チキン㈱(神奈川県横浜市、判治孝之代表取締役社長)は、来年4月から継続雇用制度を拡充し、定年後も引き続き65歳まで店長職を務められるように見直す。雇用形態は1年単位の契約社員となるが、賃金などの待遇は定年前の水準のまま雇用する。