三菱樹脂事件最高裁判決に誤記 判決書と判例集、ウェブサイトで違い
2023.01.04
【Web限定ニュース】
三菱樹脂事件(最判昭48・12・12)を収録した最高裁判例集(民集27巻11号1536頁)と、裁判所のウェブサイトで公開されている判決文に誤記があったことが分かった。原本である判決書と照らし合わせた結果、判例集で6箇所、ウェブサイトで2箇所の違いが明らかになっている。三菱樹脂事件最高裁判決は使用者の「採用の自由」を認めた重要な判決。
最高裁判決の判例集とウェブサイトにおける誤記の問題については、2021年に報道機関から裁判所に問い合わせがあったことをきっかけに発覚した。最高裁は信頼を損ね兼ねないとして、有識者委員による会合の開催を決定。2021年11月に開かれた第1回会合では、大法廷判決を中心としたサンプル調査の実施に乗り出す考えを明かしていた。
サンプル調査の結果は2022年5月30日に公表された。三菱樹脂事件の誤記もサンプル調査により分かったもの。現在ウェブサイトの誤記は修正済みだという。
明らかになった誤記は以下の表のとおり。判例集や2022年5月30日以前の裁判所ウェブサイトから判決を引用した場合は、注意が必要となる。