【特集1】切羽監視をAIでサポート 崩落の予兆いち早く察知 退避時間確保しより安全に/清水建設
2023.01.27
【安全スタッフ 特集】
山岳トンネル工事における切羽の安全対策では、切羽崩落の予兆を把握し、迅速な退避を指示することは災害を回避する上で重要となる。清水建設㈱地下空間統括部では、切羽監視員の業務をAIが支援し、人と協働して掘削面に生じる亀裂(クラック)を発見するシステムを開発。早期の切羽異常の発見を可能とし、緊急時の退避時間の確保に寄与できることを検証した。監視員の心身への負荷を低減する効果も期待される新たな安全確保の仕組みとして、工事現場での活用を進めていく。
トンネル工事に不可欠な監視業務
山岳トンネル工事の掘削の最先端(=切羽)では地山が露出し、岩石の落下など肌落ちによる労働災害が発生する危険がある。肌落ち災害に巻き込まれた被災者の6%が死亡し、42%が休業1カ月以上となるなど被害の重篤度も高いことから、厚生労働省では「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン」を策定している。ガイドラインでは、事業者が専任の監視責任者を選任し、切羽の状態を常時監視させるよう定めている。
切羽が崩落する予兆であるクラック(亀裂)を発見し、退避の判断と指示を行う監視業務は作業員の安全確保のためになくてはならない。清水建設では、緊張感と責任が要求される監視員の負担軽減と監視業務の効率を目指して、人工知能(AI)を使った支援策の開発に力を入れている。
AIと協力して迅速な退避を指示
新たに開発した「切羽監視支援システム」は、…
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2023年2月1日第2419号 掲載