【特集1】先取りから改善提案へ 「HUB提案」で安全対策を共有 考える習慣付けが社員の成長に/㈱拓和
計測器、センサーメーカーの㈱拓和(東京都千代田区)は、「戦略的安全衛生活動」の方針に基づき、安全衛生活動を会社の強みにする経営を推進している。ヒヤリ・うっかり・ぼんやりを改善へとつなげる「HUB提案」によって危険の芽を摘み、先取り型の安全手法で労働災害防止を図っている点が特長だ。ISO45001による安全管理の仕組み化や、全拠点で毎月安全衛生委員会を開催するなど、安全衛生への関わりを通じて会社と社員の成長につなげている。
社員に痛みを負わせない経営を
水位計や土砂災害検知のためのセンサーを製造する同社が、社内の安全衛生管理体制を強化したのは約17年前の2006年。センサー類の設置・点検業務には労働災害の危険が少なくないこと、当時は長時間労働や自動車運転中の事故などが課題に挙がっていたことなどがその背景にあった。「安全とは切っても切り離せない仕事であり、万が一、自社が行う設置工事や点検作業で事故を起こせば会社の信頼を損ねる。経営上のリスクと捉え、社内の安全衛生管理体制を見直した」と、奥田慎二専務取締役は取組みの背景を説明する。
専門部署である安全衛生推進室を立ち上げ、年間の安全衛生管理計画を立て、すべての支店・営業所で安全衛生委員を選任した。本社で開催する中央安全衛生委員会に加えて、拠点の規模にかかわらず安全衛生委員会を毎月開くようにし、安全衛生教育や労働災害防止対策を話し合っている。
創立50年の節目である2014年には、あらためて経営層から「戦略的安全衛生活動」のメッセージを社内に展開。社員を大事にし、無用な痛みを負わせない経営姿勢を大前提に据え、安全衛生が確実な受注と品質の確保、社会的評価、健全な企業活動に貢献することを全社員に向けて発信してきた。…
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