SDSによる情報伝達で意見交換 情報収集の難しさが課題に 厚労省・リスクコミュニケーション
厚生労働省は2月16日、令和4年度「職場における化学物質規制の理解促進のための意見交換会」 (リスクコミュニケーション)を東京都内で開催した。政省令の改正によって職場で化学物質の自律的な管理が求められることを踏まえ、リスクアセスメント実施に欠かせないラベル・SDSでの情報伝達について企業、行政、専門家が意見交換を行った。
パネラーとして登壇した3社の製造、使用時の対応が説明されるなか、三菱ケミカル化学品管理部の高崎直子マネージャーは、社内ガイドラインを整備して情報収集や社内教育を進めながら全製品のSDS提供を行っている体制を説明。「流通の川上であるメーカーとして大きな役割と責任を感じている」とした。一方で、日本ペイントコーポレートソリューションズの林泰弘マネージャーからは、「情報を要求してもメーカーから返答がない場合もあり、
化学物質含有製品を使用する建設業からは、建災防の委員会で現場向けのガイドライン作りを進めている取組みを紹介。西松建設安全部の最川隆由部長は、「SDSシートに使用すべき保護具の種類が正しく記載される事が重要だが、『適切な保護具を使いましょう』といったあいまいな指示しか書かれていない場合も少なくない。セメント混練、塗装吹付けなど、作業の内容・規模別に、使用するマスクの種類などを示したい」と業界としての対応を述べた。