【特集2】ヒヤリ録画し当日中に教育 点呼前測定で予報も 漫然運転事故ゼロへ/日立物流
トラックドライバーの体調・疲労状態を予測し、異常の検知、ヒヤリハットの振り返りの徹底へ――日立物流のDXによる安全管理が脚光を浴びている。健康起因事故を防止するためには従来の取組みでは困難であるとして、産学官の連携で開発した安全運行管理ソリューションだ。点呼前のバイタル測定で体調総合判定とヒヤリハット予報まで導き出せる優れもの。インシデントをリアルタイムで録画・通知でき、当日中に振り返り教育することを徹底している。導入後、漫然運転に起因する事故はゼロ、一時不停止や衝突警報などのヒヤリハットの発生件数は2年前に比べ9割以上も減少している。
背景に家族の闘病や介護
㈱日立物流(グループ従業員数4万5681人、2022年3月末現在)は、3PL(サードパーティロジスティクス)の先駆けとして知られている。同社は4月1日にロジスティード㈱に社名を変更する。3PLとは、荷主企業に対して第三者(サードパーティ)が効率的な物流システム構築の提案を行い、調達や生産から販売、流通、アフターサービスに至るまで物流業務全体を包括して請け負う業態をいう。
物流システム構築をはじめ、情報管理、在庫管理、受発注管理、流通加工、物流センター運営、工場構内物流作業、輸配送など物流業務を受託している。国際輸送や重量品・精密機械などの輸送・搬入・据付作業なども行っている。
グループ会社数は94社で、事業所数は国内 328カ所、海外435カ所に及ぶ(2022年3月末現在)。
同社が安全運行管理ソリューションの開発に着手するきっかけになったのは、2015年に相次いで発生したトラック事故だった。同一事業所で半年間に連続3件の追突事故が起こり、すべてノーブレーキであったことが後ほど判明した。…
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら