連絡怠り元請送検 別業者の入場を知らせず 向島労基署
2023.03.20
【労働新聞 ニュース】
東京・向島労働基準監督署(釜賀由美署長)は、昨年5月に発生した重機による死亡労働災害に関連して、建設業の塚本建設㈱(東京都江戸川区)と同社現場責任者を労働安全衛生法第30条(特定元方事業者等の講ずべき措置)違反の疑いで東京地検に書類送検した。2社の下請業者が同じ現場で作業を行うにもかかわらず、2社間の連絡調整を怠った疑い。
労災は、葛飾区内の建設工事現場で発生。下請業者の労働者が土砂を重機で運んでいたところ、土砂のゴミ取りをしていた別の下請業者の労働者に激突している。
同法では、複数の請負業者の労働者が同じ場所で作業する際、元方事業者に、請負業者との間および請負業者間の連絡・調整を義務付けている。
労災発生当日、工事で出た土砂を処理するために、土砂のゴミを取り除く作業が必要になった。元方事業者である塚本建設は、重機で土砂を運んでいた下請事業者に知らせないまま、ゴミ取りの下請業者を入場させた。
同労基署によると、別の業者の入場を知らせるほか、作業時間を分ける指示などの連絡調整を行うべきだったという。
【令和5年2月20日送検】
令和5年3月20日第3393号4面 掲載