労働者名簿作成せず 身元不明の外国人働かせ 四日市労基署・送検
2023.03.24
【労働新聞 ニュース】
三重・四日市労働基準監督署(松田滋署長)は、請負工事で雇用した外国人労働者3人について、労働者名簿を調製しなかったとして、建設工事業の㈲LOOP(三重県菰野町)と同社代表取締役を労働基準法第107条(労働者名簿)違反の疑いで津地検四日市支部に書類送検した。
同社は令和3年8~11月頃まで、太陽光パネル設置工事の現場に、下請業者として入場していた。同労基署によると、同社はその際に「人数さえそろえば良い」という考えのもと、名前も在留資格も判然としない外国人を大勢雇い入れていた。明らかな偽名を名乗られても見逃していたことなどから、「不法就労を隠したい」などの理由で同社がわざと労務管理を怠っていたとみている。
実在が確認できた3人に対象を絞り、立件した。同社で働いていたとみられる労働者は現在帰国するなどして行方不明となっている。立件対象の3人も含め、身元は確認できておらず、適切な就労資格を有していたか否か分からないままだ。
違反は労働者が労働条件に関する相談に来たことにより発覚した。同労基署によると、こういったケースは労働者側も後ろめたい事情を抱えていることが多く、把握が困難だという。
【令和5年3月8日送検】
令和5年3月27日第3394号3面 掲載