紫外線防止せず送検 ハム殺菌中に目の痛み 相模原労基署
2023.04.24
【労働新聞 ニュース】
神奈川・相模原労働基準監督署(荻野憲一署長)は、紫外線の漏出防止措置を講じていなかったとして、食品製造業のプライムデリカ㈱(神奈川県相模原市)と同社取締役を労働安全衛生法第22条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで横浜地検相模原支部に書類送検した。UV殺菌機の覆いが不十分なまま作業をさせ、労働者10人に目の痛みが生じる労働災害が発生している。
同社はコンビニエンスストア向けの惣菜を製造している。昨年11月21日、UV殺菌機でハムの殺菌を行う作業場にて、近くで作業をしていたベトナム人技能実習生を含む労働者10人が目の痛みを訴えた。
同労基署によると、同社が食品の殺菌にUV殺菌機を使ったのは災害発生日が初めてだった。購入したUV殺菌機に設置されていた覆いを使用していたが、紫外線を遮ることができておらず、有害な光線の除去が不十分だったとみられる。
同労基署は、「紫外線による殺菌は熱を使わないので、食品の賞味期限を長くすることができる。しかし同法では紫外線漏出防止の覆いの規格について明確な基準がないため、UV殺菌機の導入が進むと、同様の違反が増える可能性がある」と危機感を示している。
UV殺菌機を使用する場所に、関係者以外の者の立入禁止措置を講じていなかった疑いも持たれている。
【令和5年3月28日送検】
令和5年4月24日第3398号4面 掲載