【特集1】リアルな人形用い実機で挟まれ再現/オークラサービス
物流システムの設置やメンテナンスを手掛けるオークラサービスは、現場で使われている実機への挟まれ・巻き込まれ災害を疑似体験できる危険体感設備を独自に制作し、社員や協力会社、取引先にまで広く講座を実施している。柔軟性と耐久性がある人間そっくりのダミー人形を用い、ロボットによる挟まれ災害を間近で見ることができる。同様に墜落災害でも、関節などの動きを人間に似せて作ったダミー人形で再現し、身体への負荷など、実際に負傷した場合の深刻さを可視化している。講座は評判を呼び、手応えを感じているという。
「社内大学」講座として開講
オークラサービス㈱(兵庫県、従業員数354人〈2022年3月現在〉) は、大手メーカーの生産工場や通販業界の物流センターなどの物流システムの設置工事やメンテナンスを行う技術サービス会社。物流機器の開発から機器を導入する生産工場や物流プラント全体の設計までを手掛ける物流システムの総合メーカーであるオークラ輸送機㈱の子会社に当たる。
同社は1990年代末、事業の成長に伴って従業員数が大幅に増加し、創業時から重んじてきた人材育成の必要性が強まったことから、1999年に当時としては珍しかった「社内大学」を開設した(上図)。
社内大学のプログラムは、①工事部門、メンテナンス部門で監督者が定常として行う一連の業務を習得する「管理講座」、②物流システムを構築している機械・制御・情報の各技術に使われている標準の機器・技術・仕組みなどの基礎的知識を習得する「基礎講座」、③工事部門の主業務であるシステム・製品の据付調整、メンテナンス部門の主業務であるシステム・製品の保守・点検・整備に直結する技術を習得する「技術講座」、④特定の分野、技術などに絞った専門的知識などを習得する「特別講座」の4つで構成。このうちの④に危険体感教育など現場安全作業に関する講座が含まれている。
ロボットへの挟まれ再現
同社の危険体感設備の目玉は、現場で使われている実機での挟まれ・巻き込まれ災害を、関節や質感など人間そっくりのダミー人形を用いて疑似体験できることだ。…
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