島根・出雲労働基準監督署（川角洋二署長）は、木材加工用丸のこ盤に歯の接触予防装置を設けないまま労働者に作業させたとして、製造業の㈲板橋木工所（同県出雲市）と同社代表取締役を労働安全衛生法第20条（事業者の講ずべき措置等）違反の疑いで松江地検出雲支部に書類送検した。数年前から定期監督を通じて複数回法違反を是正するよう指導してきたが、同社は歯にカバーを装着するなどの措置を一切講じなかったという。

　昨年12月に同労基署が臨検し、丸のこ盤の歯がむき出しになった状態で複数人の労働者が作業しているところを確認した。「カバーを付けると作業がしづらい」などの理由で同社が指導を無視していたとみている。労働災害は発生していない。

　同労基署は「作業中でなくても、労働者がつまずいて手を突くだけで指を切断しかねない危険な状態にあった」とした。

【令和５年４月19日送検】