無効な36協定で送検 月最大156時間超の残業 八幡浜労基署
2023.05.22
【労働新聞 ニュース】
愛媛・八幡浜労働基準監督署(小玉知司署長)は、外国人技能実習生10人に違法な時間外・休日労働を行わせたとして、縫製業の小清水被服工業㈲(愛媛県西予市)と同社取締役を、労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで松山地検に書類送検した。同社が届け出ていた36協定は、締結当事者となる労働者の過半数代表者の選出が適法でなく、無効だった。
同労基署によると、労働者の過半数代表者は選挙などの方法で選出されたものではなく、「使用者の意向に沿う形で選出されていた」という。
同社は有効な36協定がない状態で、令和4年1月1日~6月30日の期間に、週40時間を超えて1週当たり最大36時間、1カ月で最大156時間50分の時間外労働を行わせた疑い。1日8時間を超えて1日当たり最大4時間40分の時間外労働も行わせていたとみられる。
同法35条では毎週少なくとも1日の休日を与えることを定めているが、同社は1人につき最大10週間にわたり休日を与えなかった疑いも持たれている。時間外・休日労働に対し、法定の割増率以上の割増賃金も支払わなかったとして、同法37条(割増賃金)違反でも立件した。
【令和5年5月8日送検】
令和5年5月22日第3401号4面 掲載