【特集2】アシストスーツ活用し疲労軽減 人力土工現場で効果検証―国交省 <事例>重量物持ち上げに導入―松本組
働きやすい職場づくりの取組みのひとつとして、建設業でのパワーアシストスーツ(PAS)の活用が期待されている。重筋作業や同じ姿勢を続けることによる身体への負担軽減が目的で、国土交通省では実証事業を実施し、土木工事での中腰・しゃがみ姿勢、人力作業での負担軽減効果を確認し、工種別の活用場面を示した。PASメーカーでは業界団体を設立するなど、新たな活用の場への普及を視野に入れた動きも起こっている。
高齢化、担い手不足への対応で
人の力で重量物を持ち上げたり、中腰姿勢で長時間の作業を継続するような場合、過度な身体負荷によって足腰に疲労がたまり、ケガにつながるリスクが高まるといわれている。これまで、介護や物流の現場を中心に普及が進んできたパワーアシストスーツ(略称「PAS」)だが、建設業でも少子高齢化に伴う就業者の高齢化、担い手不足への対応策のひとつとして有効活用が期待されている。
国土交通省では昨年10月、PASの有用性を調査する目的で実施していた現場検証の結果を公表した。検証では、国交省直轄工事の人力土工と小運搬作業を対象に、23種のスーツを使って効果を測定。着用者と未着用者で、同じ作業をしたときのバイタルデータ(心拍数、筋電)を比較し、疲労軽減効果を測定している。
装着者の主観調査とバイタルの計測では、かご石を敷き詰める作業、鉄筋組工、張芝工、法面石材工の4工種で心拍数の増加が緩やかになっており、…
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