公労使委員が議論 解雇の紛争解決事例基に 中労委・セミナー
2023.08.08
【労働新聞 ニュース】
中央労働委員会(岩村正彦会長)は、労働紛争の未然防止や早期解決に活用してもらうため、紛争事例を基に解決策などを発信する「労使関係セミナー」を開いた。都道府県労委の公益・労働者・使用者委員の計3人によるパネルディスカッションでは、実際に解決に至った紛争事例を紹介し、議論している(写真)。
静岡県労委の使用者委員である高井正人委員は、同労委であっせんした事例を紹介した。同事例では、会社は労働者を普通解雇したつもりだったが、労働者は懲戒解雇をされたと認識し、争いになったとした。高井委員は、「会社が退職金や解決金を支払うことで合意し、解決した」と話した。
労働者委員の小林健一委員(埼玉県労委)は、「コミュニケーション不足がこじれる原因になったのではないか」と指摘した。公益委員の北川和彦委員(長野県労委)は、「紛争の防止には、企業が労働法の知識を身に着けておくことが必要」と意見を述べている。
令和5年8月14日第3412号3面 掲載