潜水中の労災発生場所偽る 和歌山労基署・送検
2023.09.04
【労働新聞 ニュース】
和歌山労働基準監督署(周防哲嗣署長)は、虚偽の内容を記載した労働者死傷病報告を提出したとして、海洋土木工事業の㈱海洋潜水(大阪府大阪市)と同社代表取締役を労働安全衛生法第100条(報告等)違反の疑いで和歌山地検に書類送検した。同県海南市内の水門築造工事現場で起きた労働災害に関して、自社の和歌山支店敷地内で発生したと偽った疑い。
労災発生当時、3人の労働者が潜水して構造物の解体作業を行っていた。被災した労働者は、作業員が溶断したがれきが海底でがれき撤去作業を行う別の作業員にぶつからないよう見張りや誘導をしていた。落ちてきたがれきに自身がぶつかり、がれきと水門に手を挟まれ、左手指を骨折した。
同社は、労災が自社敷地内の資材置き場で発生したとする虚偽の死傷病報告を提出した疑い。同労基署は捜査の端緒について明らかにしていないが、「報告に不審な点があった」としている。
【令和5年8月9日送検】
令和5年9月4日第3415号4面 掲載