【特集2】転倒防止へ「安全基本行動集」 改善活動実施し安全な通路に AIカメラで歩行をチェック/JFEスチール東日本製鉄所(京浜地区)
わが国では高齢化社会を迎え、働く人の転倒災害防止が安全衛生対策上の大きな課題となっているところだ。JFEスチール㈱東日本製鉄所(京浜地区)では、過去3年間に発生した災害に占める比率が低くないことから、転倒災害防止に力を入れている。行動災害を撲滅するため、「ながら歩きをしない」「決められた通路を歩行する」などと定めた「安全基本行動集」を制定した。社員に周知を図るとともに、改善活動を実施。通路に照明を設置したり、舗装などを行った。さらに昇降階段にAIカメラを設置して、手すりを持ちながら歩行しているかなどをチェック。記録映像で確認し、職場に注意喚起を促している。
行動災害撲滅に10カ条の安全規範
JFEスチール東日本製鉄所(京浜地区)の過去3年間(2020~2022年)に起きた災害(不休災害含む)のうち、「転倒」や腰痛の原因となる「動作の反動・無理な動作」など作業行動を起因とする行動災害は36%を占めるという。そのうち、転倒災害は、68%で大きな割合となっている。具体的には「見回り作業で上方を見ながら歩行中、輪止めにつまずく」「階段を降りる際、1段目を踏み外す」「土手から降りる際に足を捻り転倒」といった災害が見られる。
同地区には約2000人の社員が働いているが、60歳以上は約200人。平均年齢は43歳だが、年々高くなっているそうだ。高齢化や転倒の占める割合などを背景に、災害防止に力を入れることとした。
まず、…
この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら