名古屋自動車事件など解説 東京都・セミナー
2023.10.25
【労働新聞 ニュース】
東京都労働相談情報センターは、東京大学社会科学研究所の水町勇一郎教授を講師に招き、今年の最新判例に関するセミナーを開いた(写真)。重要な判例として、定年後再雇用者の基本給・賞与が定年前の半分以下であることを巡って争われた名古屋自動車学校事件など8ケースを解説した。
同事件では、地裁と高裁が正社員の基本給・賞与より6割を下回る部分を不合理とした判断に対し、最高裁がこれを差し戻している。水町教授は、「基本給の性質・目的が問われた判決だった。年収ベースで2割程度の差は不合理ではないとした長澤運輸事件の最高裁判決に頼ってきた実務を、修正しなければならないだろう」などと話した。
令和5年10月16日第3421号3面 掲載