熱中症対策を確認 WBGT値把握は約半数 埼玉労働局・建設業一斉監督結果
2023.11.01
【労働新聞 ニュース】
埼玉労働局(久知良俊二局長)は、建設工事現場に対する一斉監督の結果を公表した。一斉監督は例年12月に行っていたが、昨年の熱中症による災害が過去最多の4件に上ったことを受け、初めて7月に実施した。従来の労働安全衛生法に関する指導項目に加え、熱中症予防対策の状況も確認している。
対象とした116現場のうち、熱中症リスクの見積りに必要な暑さ指数(WBGT値)を把握していたのは59現場(50.9%)と、約半数に留まった。そのうち、WBGT値に応じた対策を講じていたのは55現場(93.2%)だった。
「水分・塩分摂取の確認」、「作業開始前の健康状態の確認」、「異常時の措置・連絡体制の周知」などの対策は監督対象現場の大半で実施されており、実施率は順に99.1%、97.4%、96.6%となっている。
同労働局は今年6月、建設業・製造業などの関係事業者団体に熱中症予防対策を緊急要請した。作業場所のWBGT値を測定し、値に応じて作業の時間や内容の変更、中断を検討するよう求めている。
8月には大塚製薬㈱大宮支店と協定を結び、事業主や労働者がオンデマンド講義で熱中症対策を学べる体制を整えた。
令和5年10月30日第3422号4面 掲載