脚立の墜落災害増加 過去10年間で最も多く 北海道労働局
2023.10.30
【労働新聞 ニュース】
北海道労働局(三富則江局長)は、今年の労働災害発生状況の9月末速報値を発表した。死亡災害は33件で、前年同期比で2件増加している。はしご・脚立からの墜落や転落による死亡災害は4件で、過去10年間で最も多くなった。
はしご・脚立に関する死亡災害は、すべて異なる業種で発生している。製造業では、労働者が高さ約3メートルの棚から在庫品を取り出すため、脚立をまたぐように両足を乗せていたところ、後方にバランスを崩して墜落した。その他の業種では、従業員が屋根の雪を落とす作業を行うためはしごを昇降していたところ、はしごから墜落し、死亡している。
同労働局は、はしご・脚立の代わりに作業床を設けるなど、代替策の検討を求めている。はしご・脚立を使用する必要がある場合は、「ヘルメットを着用する」、「脚立をまたがない」など、安全な使用を要請している。
冬は除雪のため、屋外での使用も増えると予想される。労災防止に向けて、定期監督や集団指導のなかで、死亡災害の事例を共有するなど、危険性や安全対策を呼び掛けていく。
令和5年10月30日第3422号4面 掲載