労働裁判ニュースまとめ【2024年1~3月】無期転換時の賃金減額無効 根拠規定が存在せず/マスク着用拒否者の懲戒有効 業務命令違反に該当 ほか
『労働新聞』で配信したニュース記事の中から、2024年1月15日号~3月25日号で公開した労働裁判関連の記事をまとめてご紹介します。
無期転換時の賃金減額無効 根拠規定が存在せず 東京地裁
政府事業を請け負う一般社団法人で通訳・翻訳者として働く労働者が無期転換時の労働条件変更を不服とした裁判で、東京地方裁判所(中井裕美裁判官)は配置転換を適法と認めた一方で、賃金減額は無効と判断した。
マスク着用拒否者の懲戒有効 業務命令違反に該当 東京地裁
コロナ禍におけるマスク着用の業務命令に違反した労働者に対する7日間の出勤停止処分の違法性などが争われた裁判で、東京地方裁判所(中井裕美裁判官)は懲戒を有効と判断した。
残業分の時間休付与 慰謝料請求を認めず 不法行為構成しない 東京地裁
歯科衛生用品の販売などを営む㈱歯愛メディカルで働く労働者が、残業発生後にその分の時間休を付与し、残業代のうち割増分(25%)しか支払わない「時短制度」などを不服とした裁判で、東京地方裁判所(別所卓郎裁判官)は労働者の慰謝料請求を棄却した。
自由意思による同意と認めず 不利益認識できない ドライバーの給与変更で 東京地裁
東京都内の運送会社で働く労働者5人が、給与体系変更などを不服として訴えた裁判で、東京地方裁判所(小原一人裁判長)は変更を無効と判断した。同社は10種類以上あった手当を整理し、基本給、愛社手当、定額残業代、通勤手当の4つで構成する新給与体系を提案。
JR東海年休裁判 時季変更権行使に合理性 勤務日の5日前でも 東京高裁
JR東海で新幹線運転士として働く労働者6人が、各勤務日の5日前に年次有給休暇の時季変更権を行使する同社の運用などを違法と訴えた裁判で、東京高等裁判所(中村也寸志裁判長)は同社に計54万円の支払いを命じた一審判決を変更し、労働者らの請求をすべて棄却した。