労働裁判ニュースまとめ【2024年4~6月】非常勤講師の雇止め無効 更新期待に合理性/行動評価に基づく減給無効 期待度の具体性欠く ほか
『労働新聞』で配信したニュース記事の中から、2024年4月1日号~6月24日号で公開した労働裁判関連の記事をまとめてご紹介します。
非常勤講師の雇止め無効 更新期待に合理性 東京地裁
東京都内の女子大学で非常勤講師を務める労働者が雇止めを不服とした裁判で、東京地方裁判所(猪股直子裁判官)は雇止めを無効と判断し、労働契約上の地位を確認する判決を下した。
行動評価に基づく減給無効 期待度の具体性欠く 東京地裁
東京都内の投資ファンド会社で働く労働者が、能力・行動評価と情意・態度評価に基づく減給などを不服として訴えた裁判で、東京地方裁判所(中井裕美裁判官)は減給を無効と判断し、同社に差額賃金計450万円の支払いなどを命じた。
事業場外みなし 適用否定した二審破棄 高裁へ審理を差戻し 最高裁
最高裁判所第三小法廷(今崎幸彦裁判長)は4月16日、事業場外みなし労働時間制の適否が争点の裁判で、適用を認めなかった二審判決を破棄し、審理を福岡高等裁判所に差し戻した。
職種限定契約 配転は労働者同意が必要 使用者の権限認めず 最高裁
職種限定に関する合意があった場合における配置転換命令の違法性が争点となった裁判で、最高裁判所第二小法廷(草野耕一裁判長)は4月26日、違法と認定しなかった二審判決を破棄し、審理を大阪高等裁判所に差し戻した。
旅券管理契約は無効 公序良俗反すると判断 横浜地裁
使用者による外国人労働者のパスポート管理などが争点となった裁判で、横浜地方裁判所(眞鍋美穂子裁判長)は労使間で締結されたパスポートの管理契約を無効と判断した。
男女雇用機会均等法 間接差別を初めて認定 総合職のみ家賃補助 東京地裁
AGCグリーンテック㈱で働く一般職の女性労働者が、総合職のみに家賃補助を支給する社宅制度を不服として訴えた裁判で、東京地方裁判所(別所卓郎裁判長)は同社の制度を間接差別と認定した。
正社員住居手当 廃止による格差是正は適法 多数派労組と合意で 東京地裁
日本郵便㈱の非正規労働者3人が、転居転勤のない正社員(新一般職)の住居手当を廃止し、正規・非正規格差を是正した対応を不服として訴えた裁判で、東京地方裁判所(中野哲美裁判長)は廃止を適法と認めた。