「今週の視点」まとめ【2024年1~3月】賞与支給額の大幅増ならず 初任給改定も影響か/勤務間休息制 「翌日の終業時刻」問題に 努力義務化も導入進まず ほか
『労働新聞』で配信したニュース記事の中から、2024年1月15日号~3月25日号で公開した記者コラム「今週の視点」をまとめてご紹介します。
算定誤りのリスク大 不当利得は時効長く
トラック運転者が退職後に未払い賃金の支払いを求めた裁判で、東京地方裁判所は賃金の算定誤りを認め、会社に600万円の支払いを命じた。算定誤りによる未払い分は、会社の不当利得に当たるとして、6年分の請求を認容している。
賞与支給額の大幅増ならず 初任給改定も影響か
昨年は3%を超える賃上げ率となったが、賞与に関しては月例給ほどの上昇がみられない。厚生労働省の集計では、夏季が1.6%増、冬季が0.8%増だった。
能登半島地震 復旧工事の労災防止を 土砂崩壊へ注意喚起
能登半島を襲った地震は、住宅や道路などのインフラに未曾有の被害をもたらした。復旧作業が急ピッチで行われているが今後、工事が本格化するに従い労働災害の増加が懸念される。
バス業界で処遇改善進む 運転士確保へ先行
「物流の2024年問題」は、運転士の確保・定着に悩むバス事業者にも影を落とす。運賃改定による“価格転嫁”を経て、業界各社で採用力強化に向けた処遇改善の動きが広がっている。
労働時間概念が複線化? 労災時は負荷を評価
「労働時間」概念の複線化が進んでいる。厚生労働省は従来、労働基準法と労災認定における労働時間は同一の概念であり、使用者の指揮命令下か否かで判断するとしていたが、今年度に基準を変更。
“給与水準接近”で意欲低下 係長の時間外が増加
総合職系の主任や係長など若手の職階で所定外賃金が増加傾向にある。非管理職の時間外手当込みの給与額と管理職の賃金が接近もしくは逆転すれば、ライン長はモチベーションが上がらないし、若手にとってもライン長のポストをめざす意欲が湧きづらくなる。
小売業 転倒防止へ「小走り」禁止 安衛研が報告書作る
小売業の労働災害が後を絶たない。労働安全衛生総合研究所は「小売業・飲食店における労働災害防止の進め方」と題する報告書をまとめた。
勤務間休息制 「翌日の終業時刻」問題に 努力義務化も導入進まず
勤務間インターバル制度が企業の努力義務となって5年弱。導入率が伸びないなか、厚労省の有識者研究会が制度のあり方を議論中だ。
「夫婦別姓」導入検討を 経済界が相次ぎ要望
選択的夫婦別姓の導入を求める声が相次いでいる。経団連の十倉雅和会長は記者会見で賛成の意を表明したうえで、女性活躍の「一丁目一番地」と強調した。
「中長期的な視点」でも評価 目標管理を活性化
目標管理制度の活性化を図る老舗企業が相次いでいる。石油元売り大手では評価要素に「競争優位の創造」などを加えて、中長期的な視点での評価を試みている。
新入社員教育 安全のルール徹底を 年度初めは対象者増
もうすぐ新年度を迎える。製造業や建設業などの事業場では新入社員に対する安全衛生教育が必須になる。