【特集1】歩行の特徴から転倒リスク分析 健診とコラボし測定会開催 身体状態を可視化し運動啓発へ/三菱電機㈱名古屋製作所

2024.10.29 【安全スタッフ 特集】
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 三菱電機㈱名古屋製作所では、定期健診とコラボした「へるすあっぷ測定会」を通じた転倒予防に取り組んでいる。AIで歩行の特性を分析する転倒リスク評価や敏捷性・柔軟性のチェックを通じて一人ひとりの内的要因を可視化し、体操やストレッチ、日々の運動などによって転びにくい体づくりを進めるのが狙いだ。体操キャンペーンや滑りに着目した体感教育、転倒リスクマップなどの施策と組み合わせ、転倒災害の未然防止を進めている。

行動災害が型別トップ 課題は身体面の対策へ

 厚生労働省の労働災害発生状況によると、転倒災害は2005年に墜落・転落の件数を上回り、以降、型別の休業災害で最多の状況が続いている()。また、2022年には、動作の反動・無理な動作(主に腰痛)も墜落転落の件数を超えた。

図 型別の労働災害発生状況の推移

 令和5年労働災害発生状況(確定値)では、転倒が3万6058人、「動作の反動・無理な動作」が2万2053人となり、いずれも前年から増加している。同年度の「転倒」による平均休業見込日数は48.5日で、長期の休業につながるケースが少なくない。

 職場での対策を見ると、手すりや滑りにくい床材の導入、段差の解消といった設備・装備面からの物理的対策は約8割の事業所が講じている(厚労省:令和5年労働安全衛生調査―実態調査―)。

 一方で、転倒予防には作業者個人の身体的要因を考慮した対策として、身体機能の衰えをチェックする「転倒やケガのリスクの見える化」をしていた事業所は全体の6.6%、転びにくい身体づくりのための取組みは全体の13.4%で、低調な状況が続いている。

 厚労省は、転倒災害多発の背景には、高年齢労働者(特に中高年齢の女性労働者)の人数が増加したことがあるとしており、今後は身体面からの労災予防のアプローチを重点とした施策を推進していく必要があるとしている。

従業員一人ひとりに働きかける

 産業用機械や工場自動化機器を製造している三菱電機㈱名古屋製作所では、従業員の健康管理を担当する健康増進センターが中心となって、身体機能面からの転倒・腰痛予防に取り組んでいる。転びにくく、腰痛になりにくい体づくりを目指すもので、従業員一人ひとりの意識に働きかけ、興味をひく工夫が成果に結びついている。

 取組み開始当時は、社内で転倒災害が増加傾向にあり、同製作所内でも…

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2024年11月1日第2461号 掲載
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