技能実習生向け労災防止動画作成 食品工場内の事故再現 外国人食品技能機構
外国人食品産業技能評価機構は、外国人技能実習生の労働災害を防止するため、労災が発生する原因とその対策を解説した学習用動画を作成した。食品工場で起こりやすい転倒や切れ・こすれ、はさまれ・巻き込まれなど、事故の型別に6種類を用意。日本語だけではなくベトナム語やインドネシア語など8カ国語に翻訳している。
動画では、食品工場内を舞台に、労災が発生する場面を再現。発生原因や対策とともに、「してはならない行動」を解説した。最後には振り返りとして、クイズを出題している。
たとえば、多発する転倒に関する動画では、床に落ちた野菜くずで足を滑らせて転ぶシーンを再現した。床に食品が散らばっている場合や、濡れている場合は放置せず、すぐに清掃するよう促している。
同機構によると、日本語が分からない技能実習生は多く、企業が安全研修を実施しても、十分に理解されないケースが少なくないとした。理解していないまま返事をしてしまうことや、誤った解釈で受け取ってしまうこともあるという。研修で教えたにもかかわらず、機械の停止ボタンを押さずに清掃したり、刃物の扱い方が危険など、事故につながる行動がみられると指摘した。
動画は、技能実習生が視覚的に理解できるような構成とし、1本当たり4~5分程度の短時間にまとめた。広く使用してもらうことを目的に、同機構のホームページに掲載している。
同機構は、「動画による教育は、技能実習生だけではなく、日本人の初任者にも有効だと考えている。動画を活用して、事故を防いでほしい」と話している。