【特集1】工種別の一人現地KYカード作成 特徴踏まえた点検項目示す スマホ使って使い勝手を向上/前田建設工業㈱東京建築支店
前田建設工業㈱東京建築支店では、作業場所で行う一人現地KY(危険予知)を推奨し、不安全行動による労働災害防止に取り組んでいる。現地でのKYを習慣づけるツールとして、協力会(前友会)と協力して鳶、土工、鉄筋など工種ごとに点検項目を整理したカードを作成。工種の特徴を反映して要点を絞ったもので、現場ではスマートフォンでQRコードを読み取って使えるようにと使い勝手も良くした。作業開始前や作業場所変更時の指差し確認を通じて安全意識の向上、不安全行動の予防に役立てている。
作業に関連した項目を設定
作業場所が毎日変わる建設現場では、作業開始前に作業者自身が現物を見ながら作業内容を確認する一人現地KY(危険予知)が行われている。この一人現地KY活動を支援するため、同支店では協力会である前友会の東京支部と協働で、危険予知の要点をコンパクトにまとめたカードを作成した。
活動に携わった同社建築部安全環境グループの児玉哲也グループ長、東京建築支店安全環境部の齊藤建部長は、「現地での一人KYの重要性は認識されているものの、なかなか全員への定着は進まない状況にあった」と話す。「どのようにして一人KYを行えばいいのか分からない」という声もあり、支店統一のチェックリストを作成し、あらためて一人KYの実施方法を周知することを決めた。
建築工事には、鳶工、土工、鉄筋工などさまざまな工種の職人が携わり、工種によって作業内容は大きく異なる。注意が必要なポイントが違うため、チェックリストだけ渡しても十分に活用できていない実態があった。そこで、同社協力会である前友会東京支部と協働で、現場の意見を反映した、現場で使いやすいツールになるよう項目を検討したという。
朝・昼作業変更時に指差し確認
図1は最終的にまとめられた一人現地KYカード(鉄筋基礎・鉄筋地上用)で、「墜落・転落しそうな場所はないか?」「手指が挟まるおそれはないか?」「上下作業になっていないか?」「つまずき・転倒しそうな場所はないか?」など8つを列挙している。
カードの裏面には一人現地KYの進め方を記載。朝礼時のグループKYで作業に潜む危険性について確認したあとに、…
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