コンクリ打設で脚部を化学熱傷 厚労省が事例追加
2025.01.31
【安全スタッフ ニュース】
厚生労働省はこのほど、「職場のあんぜんサイト」に化学物質による労働災害事例を追加した。「ステンレス部品の汚れ落とし作業中に有機溶剤中毒」や「コンクリート打設作業中に、生コンクリートが皮膚に付着し化学熱傷」など16件で、イラスト付きで発生状況・原因・対策を解説している(別掲)。
化学熱傷の事例は、トンネルの底面にコンクリートを流し込む作業(インバート打設作業)で発生したもの。10人の作業員が水力発電所新設工事に伴う導水路トンネル掘削工事に従事していた際、ノロと呼ばれるコンクリート成分を含んだ水分や泥が長靴から徐々に侵入したものの、皮膚の違和感などの自覚がなかったため、洗浄しなかった。
作業完了後、脚部が炎症を起こしていたことが判明。作業員5人が化学熱傷と診断された。
作業のリスクアセスメントや作業者への安全教育の未実施などを原因として挙げている。
2025年2月1日第2467号 掲載