【特集1】潜水作業をVRで事前訓練 見えない水中の可視化図る 3Dモデルと組み合わせて効果/大河津分水路新第二床固改築工事(施工:鹿島・五洋・福田特定建設共同企業体)
新潟・大河津分水路新第二床固改築工事では、DXを安全管理に活用した取組みを行っている。ソナーで集めた点群データから3Dモデルを作成し、見通しの悪い水中の状況をVR(仮想現実)で可視化。潜水士を交えて作業方法を事前に訓練するなど、大雨被害の復旧というイレギュラーな事態にも対応し、安全を十分確保して作業を進めた。カメラやセンサーなどの積極的な利用や協力会社によるショート動画でのノウハウ共有など、他工事の参考になる安全対策も随所で行われている。
築100年の分水路の大改修が進む
長野県と新潟県を流れる信濃川から分岐して日本海へと注ぐ大河津分水路。大雨や洪水などの水害から住民を守る目的で築造された人工河川では、1922年の通水から100年以上が経過し、現在「令和の大改修」が進んでいる。改修事業のなかでは、河口部付近の水路の河床を安定させるために設けられている第二床固の改築工事が鹿島・五洋・福田特定建設共同企業体の施工によって進められている。
現場代理人を務める鹿島建設の荻野剛所長は、「『安全が第一』をすべての前提に据える」を現場方針に掲げ、一声かけや現地KY、指差呼称を通じた安全基本行動を徹底。重機周辺への立入禁止や玉掛け時の3・3・3運動などの安全活動を実直に行い、労働災害の未然防止に努めている。また、工事を発注する国土交通省北陸地方整備局信濃川河川事務所は、国交省が全国10カ所で指定したi-Construction推進モデル事務所であり、…
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