安全装置なく送検 専門外業者製造のリフト 佐賀労基署
2025.03.05
【労働新聞 ニュース】
佐賀労働基準監督署(貞木竜成署長)は、労働者が簡易リフトの上部フレームと工場2階床面の間に頭部をはさまれて死亡した労働災害に関連して、農薬を製造する㈱ニチノーサービス(東京都中央区)と佐賀事業所責任者および生産部署責任者の計1法人2人を、労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで佐賀地検に書類送検した。専門ではない業者に依頼して工場内にリフトを製造・設置させたが、安全装置を備え付けないまま労働者に使用させた疑い。
昨年7月の災害発生当時、労働者はリフトを使用して生産機械の部品を運んでいた。何らかの理由で1階と2階の間でリフトが停止したため、様子を確認しようと搬器に身体を入れたが、搬器が下方へ動き出し、頭部をはさまれて死亡した。
リフトは昇降機製造の専門業者が製造したものではなかった。戸が開いているときは昇降できなくする安全装置など、同法で求める構造規格を満たしていなかった。
同労基署の担当者は、「簡易リフトは、巻上機などの部品があって、組立ての知識を持っていれば作れてしまう。製造現場や倉庫などでは、今回のような構造規格を具備しない違法な簡易リフトがみられるが、非常に危険」と指摘している。
【令和7年1月30日送検】
令和7年3月3日第3487号4面 掲載