監督速報値 割増賃金違反 6年は3割に 名瀬労基署
2025.03.11
【労働新聞 ニュース】
鹿児島県の奄美地域を所管する名瀬労働基準監督署(上村一高署長)は、昨年4~12月までに実施した監督指導結果(速報値)をまとめた。最も多かったのは「割増賃金」に関する違反で、違反率は28%に上った。割増賃金の算定基礎に含むべき手当を除外しているケースを確認している。
次いで多かったのは「労働時間」に関する違反で、22%となった。36協定を締結しているものの届け出ていなかったり、毎年届出が必要であることを認識していない事業場が多くみられている。これまで36協定の締結・届出を行っていた者が退職する際に、引継ぎがうまくいっていなかったケースも確認した。
奄美市の統計(5年度公表)によると、市内2386事業所のうち、30人未満の事業所が9割を占める。同労基署の担当者は、「小規模事業場への周知が課題。集団指導を行っても、参加するメンバーが固定されてしまう。日々の監督指導で実際に事業場へ足を運び、法遵守を直接呼び掛けていく」と話している。
令和7年3月10日第3488号4面 掲載