【特集1】人・機械の「協調安全」を推進 リスク低減と生産性両立図る
人と機械が同じ場所で働く際、衝突や挟まれなどのリスクを最小限に抑える必要がある。「協調安全」の考え方では、機械安全の基本となっている隔離と停止の原則をさらに進め、AIによる判断やより精細なセンサー検知技術を追加することで、機械が稼働し続けたまま人が周辺で作業を続けることを可能にする。特定の作業者が近づいた場合にのみ機械を停止する、段階的な減速措置で安全を確保するなど、場面に応じた柔軟な方法でリスクの最小化と生産性維持の両立を図る取組みが進められている。
最新技術活用した「Safety2.0」
産業分野の安全確保の新たな手法として日本発の「協調安全」が、建設業、製造業を中心に拡がりつつある。協調安全とは、人・機械・環境が位置や動きなどの情報を交換し、人と機械が同じ空間で作業をする際の労災リスクを最小限に抑えるアプローチをいう。
協調安全を実現するための基本的な考え方は「Safety2.0」と呼ばれ、人と機械が共存して働く場を想定して安全対策を考えている。危険予知活動や安全教育など人の注意力に働きかける対策で安全を確保する「Safety0.0」から、平成年代に入るとリスクアセスメントを通じた機械の本質安全化や侵入検知による強制的な設備停止、安全ガードを使った機械と人の隔離などの安全確保(「Safety1.0」)が講じられてきた。
「Safety2.0」は、これをさらに前に進め、隔離と停止を前提としつつ、…

資料3 高所作業車安全手法の例(Safety0.0/Safety1.0/Safety2.0 の比較)
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