【賃金調査】人事院/24年民間給与の実態(確報) 所定内のピーク 事務課長で58.8万円に

2013.01.28 【労働新聞 賃金調査】
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【解説】執行役員が押上げに 事務部長で2年連続大幅増

 近年の役職別の所定内給与額の推移を踏まえると、今回際立って大きな動きを示した点としては、事務部長が3.6万円増加し、2年連続で大幅に上昇したことが挙げられる。支店長と事務部次長では減少したこともあり、想像の域は出ないが、執行役員の増加が背景にあるのではないかと考えられる。

 執行役員の月給については、従業員兼務役員に匹敵する処遇がされているとのデータもあり、仮に100万円クラスのサンプルが入り込んでくれば、調査結果には相当なインパクトを与える。執行役員扱いに伴う処遇の改善、あるいは年収の中で賞与の支給額を月例給に回すという措置が行われた人材が、事務部長に相当数混じっていることが推測される。また、技術系でも部長や課長が下がったものの工場長は伸びており、同じことが工場長で起きたためと想像できる。

 定昇制度に関しては、50~100人未満では「査定昇給のみ」がダントツに多いが、500人以上では「査定昇給+昇格昇給」の割合がこれを上回る。規模が大きくなると、賃金体系に昇格昇給の仕組みが織り込まれるとの構造を表す結果であり、いわゆる職能資格制度の昇格昇給の仕組みを導入している企業が、それだけ多いことが分かる。

 「自動昇給のみ」という回答も未だに1割以上あり、とくに100~500人未満でより比率が高くなっている。中小とはいえない企業まで含んだこのクラスで、どちらかというと労務管理、労使関係が膠着状態にある割合が高いということだろう。

解説筆者:プライムコンサルタント 代表 菊谷 寛之

平成25年1月28日第2906号8,9面 掲載
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