線量計着け忘れて作業したケースも 福島労働局が原発監督
2015.01.01
【安全スタッフ ニュース】
福島労働局(引地睦夫局長)は、東京電力福島第1原発の事故収束・廃炉作業現場に対する監督指導結果を明らかにした。今年4~8月に立入調査した136事業場のうち85事業場(62.5%)で労働安全衛生法、労働基準法などの違反がみつかった。福島市で開催された福島地方労働審議会で初めて公表したもの。
主な違反内容は、電離則関係で18件に上っている。線量計を着け忘れた状態で作業を行わせていたり(同第9条)、全面マスクのフィルターが外れたにもかかわらず、そのまま作業を行わせていたケース(同第38条)を確認した。
健康診断関係では、6カ月以内ごとに1回受診させなければならない電離健康診断の未実施(同第56条)や、電離健康診断結果報告書の未提出(同第58条)となっている。
その他の安衛法違反は27件で、使用するクレーンなどの機械設備について、定期自主検査を怠っている事業場が多かった。
今年8月には、クレーン解体作業時にワイヤロープの束が落下し、労働者が重傷を負った災害で、法人と作業指揮者を安衛法違反で書類送検。クレーンに関する点検・検査を徹底するよう指示している。
平成27年1月1日第2225号 掲載