技能講習の助成率引き上げ 建設人材不足受け4月から 被災3県は満額を支給 厚労省
2014.03.15
【安全スタッフ ニュース】
厚生労働省は、建設業の人材不足対策の一環として実施している建設労働者確保育成助成金を拡充する。労働安全衛生法などに基づく技能講習の外部委託実施費の助成率を現行の7割から8割へと増額するほか、認定訓練と技能実習の賃金助成額をそれぞれ1000円増額し、日額5000円、8000円へと引き上げる。特に工事の需要が大きい東日本大震災の被災3県では、技能実習の経費を10割(満額)支給する。
震災復興やオリンピック需要で建設業の技能労働者不足が深刻化するなかで、業界の技術確保や技能の継承をより一層支援しようというもの。安衛法に基づく特別教育や教習、技能講習のほか、施工管理に関する技術検定のための講習なども対象となる。
また、昨年に引き続き、メンタルヘルス相談などの健康づくり制度を導入した企業に定額30万円の助成を行う。
厚労省によると、昨年末時点の助成金利用者は技能実習だけで約4万7000人に達したという。今年度は昨年度の予算額を上回る約41.5億円を計上している。さらに、人材不足が安全衛生管理に及ぼす影響を懸念し、新年度には職長向けに安全衛生知識を再教育する事業も行う予定だ。
平成26年3月15日第2206号 掲載