転倒災害防止で新施策 2、6月に点検・巡視を 260団体へ要請 厚労省
厚生労働省は、休業4日以上の死傷災害のトップを占める「転倒災害」の減少を目指し、1月20日から「STOP!転倒災害プロジェクト2015」を開始した。約260の関係業界団体などに対し職場の総点検を要請。とくに災害が集中する2月と全国安全週間準備月間である6月を重点取組期間と定め、安全委員会などでの防止対策の検討やチェックリストを活用した職場巡視、点検の実施を指導する。
これに合わせ厚労省のホームページ(職場のあんぜんサイト)内に、事業場レベルの取組みを支援するための特設サイトを開設。好事例や有益な保護具などを紹介する。労働災害防止団体と連携してセミナーなどの開催にも乗り出す。
支援ツールとしては、転倒の危険性を簡単に把握できるチェックシートを独自に作成(ダウンロードが可能)。「床の水たまりや氷、油、粉類などは放置せず、その都度取り除いていますか」「安全に移動できるように十分な明るさ(照度)が確保されていますか」など10項目で、改善方法については各職場の「安全委員会」などで知恵を出し合うよう促している。
プロジェクトは、今年12月31日まで。昨年積雪や凍結による転倒災害の増加がみられた2月については、安全管理者や安全衛生推進者が参加する安全委員会などで対策を調査審議、チェックリストの活用による職場巡視と職場環境の改善、労働者の意識啓発などを図る。
全国安全週間の準備月間に当たる6月は、その後の改善状況を確認する。
第三次産業だけではなく、安全衛生活動が比較的活発な建設業、製造業でも転倒災害の増加率は急伸している。厚労省は、労働者の高年齢化も一因としている。