ストレス検査実施は3割 事業主から結果通知目立つ 品川労基署
東京・品川労働基準監督署(古屋希子署長)は、管内企業の改正労働安全衛生法への対応状況を取りまとめた。ストレスチェックを実施している事業場は3割程度に止まり、法の趣旨に反し検査結果を「事業主を通じて通知」と回答した事業場が2割に上った。「大手企業をはじめ多くの企業で現行制度の手直しが必要になる」(同労基署)とみている。
改正安衛法の公布を受け、昨年9月に管内企業に対応状況に関する通信調査を行った。回答事業場数は216社。労働者300人以上の企業が6割弱を占める。
今年12月から始まる労働者の心理的な負荷の程度を把握するストレスチェックの実施の有無を聞くと、「実施している」が33.3%と3社に1社で、「実施していない」の38.0%のほうが多かった。「実施に向けて準備中」は28.2%だった。
実施者(複数回答)に関しては、「医師(産業医および産業医以外の医師)」が実施しているとした事業場は30.6%、「保健師」は25.0%となっている。最も多かったのは「外部専門機関・業者」の31.9%で、「セルフチェック(ウェブ上)」も16.7%と少なくなかった。「現時点で法定要件を満たしていない企業は3割程度」(同労基署)と見積もっている。
検査結果の通知方法では、産業医、保健師などの「実施者から直接本人に通知」している事業場は51.4%と約半数。一方、プライバシーへの配慮など法の趣旨に反して「事業主を通じて通知」は20.8%と5社に1社の割合だった。
調査結果を踏まえ、大手企業を含む多くの企業で制度の変更や手続きの見直しが必要になると指摘。機会を捉えて講習会などで周知を強化する考えだ。