都内の司法処分で労災かくし大幅増 東京労働局
東京労働局(西岸正人局長)は、平成26年度司法処理状況の概要を取りまとめた。全体的には2年連続の減少となったものの、労災かくし事案が前年に比べて倍増した。1つの事案で複数を立件したケースがあったことに加え、労災かくしに対する取締り強化が影響したもようだ。
26年4月~27年3月までの1年間に東京労働局管内の18労働基準監督署・支署が、労働基準関係法令違反で書類送検したのは合計54件。送検件数は前年度よりも4件減少し、2年連続の減少となった。業種別では、建設業が22件(40.7%)と最も多く、製造業が9件(16.7%)、接客業が5件(9.3%)などと続いた。違反内容は、労働基準法、最低賃金法などの関係が31件(57.4%)、労働安全衛生法関係が23件(42.6%)だった。
労働安全衛生法関係の内訳をみると、「機械等・墜落等の危険防止措置」(20、21条など)が12件とトップ。次いで「労災かくし」(100条)が11件となっている。危険防止措置が前年の15件から12件に減少したのに対し、労災かくしは同5件から11件に倍増しているのが特徴だ。
東京労働局は、1つの事案で複数を立件したケースがあったことに加えて、労災かくしの場合は、情報提供などで認知したら基本的に書類送検する方針としており、近年の取締り強化の動きも件数増加の要因の一つとした。
労働基準法違反では、パンの製造ラインでパートに月最長139時間に及ぶ時間外労働を行わせ、36協定の延長限度を超過した製造業を処分している。