1,2‐ジクロロプロパン 特化則で規制へ 来年1月に施行を予定 胆管がん問題受け改正 厚労省
2013.04.01
【安全スタッフ ニュース】
大阪府内の印刷事業場などで胆管がん発症の労災請求が相次いだ問題で、厚生労働省は業務上外に関する検討会の報告書をまとめた。請求のあった16人を業務上として労災認定するとともに、発症の原因とみられる1,2‐ジクロロプロパンを新たに特定化学物質障害予防規則で規制する。
報告書では、「胆管がんは、ジクロロメタンまたは1,2‐ジクロロプロパンに長期間、高濃度ばく露したことにより発症し得ると医学的に推定できる」と、胆管がんの発症と使用された化学物質の因果関係を推定。さらに、大阪の事業場で働いていた16人が高濃度ばく露した1,2‐ジクロロプロパンを、発がんの原因となった確率が極めて高い物質と結論付けた。
厚労省は報告を受け、現在は指針で対応を求めている1,2‐ジクロロプロパンを特化則で規制する。夏までに必要なばく露防止措置を検討し、今年10月に改正特化則を公布、来年1月に施行する予定だ。
施行までの当面の措置では、事業場で同物質の使用を控えさせるとともに、印刷機や金属類の洗浄に使うその他の化学物質についても、安全データシート(SDS)を入手できない物質の使用が望ましくないことを指導するよう労働局に指示している。
胆管がんによる労災認定は今回が初めて。
今後、16人と同じ事業場で新たに請求があった1人と他事業場の請求事案について、個別事案ごとに業務上外を検討していくとしている。
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平成25年4月1日第2183号 掲載