塗料はがす作業に注意! 高濃度でばく露する危険が 鉛中毒予防規則の順守を 厚労省
2014.07.15
【安全スタッフ ニュース】
厚生労働省は、建築物に塗られた塗料を剥がしたり掻き落としたりする作業で、必要な健康障害防止対策を講じるよう建設業などの関係団体へ要請した。橋梁などの建築物には、錆止めなどの目的で数十%の鉛やクロムを含有する塗料が塗られたものが多くあり、鉛中毒障害予防規則が十分に守られていない現場で労働者が高濃度の有害物にさらされる恐れがあるとして警鐘を鳴らしている。
厚労省によると、建築物の塗り替えなどのために塗料の剥離や掻き落としを行う際、近隣環境への配慮のために作業場を隔離したり、屋内で狭い作業場では、鉛など有害物の濃度が極めて高くなるという。
こうした隔離区域内で作業を行う場合には、湿潤化と集じん排気装置による粉じん濃度の低減や、電動ファン付き呼吸用保護具の使用などを行うこととしている。工事発注者に塗料の成分を問い合わせ、有害物を確認した場合には、隔離区域以外でも規則に従った対策を講じることとした。
また、国交省を通じて、土木工事の発注者である地方自治体が、施工者への情報提供、ばく露防止のための必要経費の配慮をするよう求めている。
平成26年7月15日第2214号 掲載