てんかん発作の症状把握徹底を 厚労省
2014.07.15
【安全スタッフ ニュース】
厚生労働省は、意識消失などの症状を持つ労働者が業務で自動車を運転する際の事故を防止するため、健康診断による症状の把握と事後措置を徹底するよう、全日本トラック協会などへ要請した。2011年に栃木県鹿沼市でクレーン車の運転者がてんかんの発作によって起こした交通事故を受け、今年6月1日に改正道路交通法が施行したことを踏まえたもの。
改正道交法では、一定の症状を持つ運転者の的確な把握や免許取得時の質問制度などが整備された。労働安全衛生法でも事業者による労働者の健康状況把握と健康診断に基づく事後措置が規定されており、再度徹底するよう求めている。
業務で自動車(大型特殊など含む)を運転する者に対しては、健康・安全の確保のために必要な場合は、雇い入れ時または定期健診で、「意識を失った」「体の全部または一部が一時的に思い通りに動かせなくなった」「活動している最中に眠り込んだ」などの症状の有無を確認することが望ましいとした。
健診の結果、医師からの意見聴取で必要と認められる場合には、労働者の意見を勘案しつつ配置転換などの適切な措置を講じることとしている。
事故起こす前に免許返納検討も
移動式クレーンやフォークリフトなどの車両には、免許証や技能講習修了証の返納制度がある。厚労省では、過去5年間に病気などが原因で意識を失ったり、日中に眠りこんでしまうなど意識障害の自覚症状がある場合には、医師に相談した上で都道府県労働局への免許返納や運転自粛を検討するよう呼び掛けている。
平成26年7月15日第2214号 掲載