過労死防止へ本部設置 「定時退社」で要請文 長時間労働の削減を 厚労省

2014.11.15 【安全スタッフ ニュース】
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 厚生労働省は、過労防止へさらなる取組み強化を図るため、塩崎恭久厚生労働大臣を本部長とする「長時間労働削減推進本部」を設置した。過重労働撲滅を最重点項目に位置付けて監督指導を積極的に進めるとともに、働き方改革・休暇取得促進に向けた特定業種への後方支援の充実にも力を入れる。10月9~14日にかけて経団連や日商などに要請文を手渡し、定時退社や年次有給休暇の取得促進を促した。

 推進本部設置は、「日本再興戦略」改訂2014で盛り込まれた「働き過ぎ防止のための取組強化」に基づくもの。今年6月の「過労死等防止対策推進法」成立など、長時間労働対策が社会的な注目を集めていることが背景にある。

 「過重労働等撲滅チーム」と「働き方改革・休暇取得促進チーム」の2チームで構成し、労働基準局内の関係課長などがメンバーとなる。過重労働等撲滅チームの下には労働基準局や労働基準監督署の若手職員からなる推進チームを配置するとしている。

 11月の過労死等防止啓発月間に合わせ、長時間労働が認められる事業場や過労死などに関する労災請求が行われた事業場に対する重点的な立入指導を展開し、法令違反が是正されない場合には送検も視野に厳正に対処する考えだ。

 働き方の見直しに向けた取組みでは、厚労省幹部による企業経営陣への働きかけを強める。業界のリーディングカンパニーを訪問し、所定外労働の削減、年次有給休暇の取得促進などの取組みや、運用に当たっての問題点などに関する意見交換を行う。各企業の好事例や課題を収集し、今後の行政運営に反映していく。

 金融業、小売業などのリーディングカンパニーに助成金やノウハウ集を提示するなど支援メニューの充実も図る。

 また、地方自治体と共同して地域レベルで年次有給休暇の取得促進を推進する。各地域で関係労使、自治体などが協議会を設置し、祭りや学校休校日などに合わせた計画的な付与を企業や住民に呼びかけ、地域ぐるみで休みの取れる環境づくりに取り組む。

平成26年11月15日第2222号 掲載
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