メンタル対策推進者 選任が半数に止まる 東京労働局調べ
東京労働局(渡延忠局長)は、企業におけるメンタルへルス対策の取組状況を取りまとめた。9割近くの事業場でメンタルへルス不調者の職場内相談体制の整備を行っていた一方で、職場のメンタルへルス推進担当者の選任や休業者の職場復帰支援プログラムの作成が半数にとどまることが分かった。
調査は平成27年6月に労働者数100人~149人規模の4213事業場に実施したもの。このうち回答があった2212事業場のデータを集計している。
メンタルへルス不調者の早期発見と対応の状況について聞くと、メンタルへルス不調者の相談体制があると回答した事業場の割合は89.3%と約9割に達した。メンタルへルス不調者を医療機関に取り次ぐ体制があるとした割合は84.3%と8割を超え、長時間労働者に対し面接指導を行う仕組みがあるとした割合も72.5%と7割を超えた。
その反面、低調だったのは事業場内部の体制の整備状況などだ。職場のメンタルへルス推進担当者を選任している事業場は53.3%と半数程度に過ぎず、休業者の職場復帰支援プログラムを作成している事業場に至っては47.4%と半数を下回る結果となった。
教育・研修状況に関してもおおむね6割台となっている。メンタルへルスに関する研修会を開催した事業場は60.8%、管理監督者への教育研修を実施した事業場は61.2%と取組み不足の感は否めない。
なお、今年12月1日からのストレスチェックの実施義務化は94.4%が「知っている」と回答した。
今後、労働者数100人未満の事業場にも順次同様の調査を行うとともに、事業場への指導、周知啓発を強化する。