優良企業認証制度の創設を 協力会社への指導が基準 社会保険加入策で報告書 国交省
国土交通省が建設業者の社会保険未加入問題の解決へ向けて設置した「社会保険等の加入促進方策検討委員会」は、調査報告書をまとめた。雇用保険、健康保険、厚生年金保険への加入促進のための具体策として、専門工事業者団体が「優良事業者」「適格事業者」「取組推進事業者」と会員を認証する制度の創設を提案している。
制度案で評価の基準としたのは、「社会保険加入の有無の確認」と「社会保険加入を促進するための優良な取組」の2つ。すべての事業所を3つの保険の適用事業所として届けている事業者を「取組推進事業者」とし、加えて、適用除外者を除く直接雇用の労働者全員の保険加入を確認した場合には「適格事業者」として認定するというもの。
「優良な取組」では、さらに社内体制の整備、協力会社への働きかけ、法定福利費の確保の取組みが評価される。
取組みの進み具体に応じて、例えば協力会社に企業単位での社会保険加入を指導している企業は「1ツ星」、企業単位での加入を発注要件にした企業は「2ツ星」といったように取組みの内容と程度を認証書に記載するとした。
一方、企業に対する調査では、既に取り組んでいる項目や「頑張れば達成できる」と答える部分も多かったが、「協力会社に対して労働者単位での加入を発注要件として求める(3ツ星)」などは困難に感じている企業が目立った。また、団体側からは、「一度にすべての傘下企業へ認証を行うことは困難」という課題もある。
国交省では、報告書の提案を精査するとともに、今後も加入促進についての調査事業を継続して実施していくとしている。